

そもそも、ダイヤを扱っている宝石業界というのはなかなか不透明な部分も多く、日ごろ 接する機会が少ない人も珍しくありません(特に20代~30代の男性はなおさらです)
また、金融業界における金融庁のように専門の監督官庁が存在しないため、販売の手法に行政の 監督の目が行き届いておらず、不信感を感じさせるようなセールス手法もいまだに目にするのが実情です。
そこで、注意したい宝石セールスについて触れておきましょう。
大事な点はこの3点でしょう。
消費者に対する売る側の説明責任は様々な業界で強く求められています。
なぜなら、消費者は商品に関する情報や知識等で売る側にはるかにおよびません。そのため、そこを 悪用して売る側に有利な条件で買わせようとする業者が後を絶たないからです。
消費者に通常よりも有利な買い物だと誤認させる行為(有利誤認)や、商品がとても優れているものだと 消費者に誤解させて販売する行為(優良誤認)は、法律で規制されています。
注意すべき宝石店の見分け方


この販売手法は、景品表示法第4条1項2号の『有利誤認』に抵触する可能性が有ります。
任意の価格を設定し、それから○○%割引とするのは、口頭での説明でも不当な価格表示に あたる可能性があります。
*詳しくは公正取引委員会公示『不当な価格表示についての景品表示法上の考え方』 の『5.割引率または割引額の表示について』(平成12年6月30日付け)をご参照 別ページでPDFを開く
このような販売手法は珍しくありません。特徴は○○%割引です。と割引率を強調してくる ところです。
このような販売手法は数年前まで他の業界でも使われていましたが、公正取引委員会より消費者を 惑わすとの指摘を受け、今ではオープンプライス制となっています。
極端な値引きできたら、まずは疑ってみましょう

消費者に買わせるテクニックの一つに、今日中に○○しなかったら○○してしまうと危機感をあおる手法が有ります。
人間は『この機会を逃すともう手に入らないかもしれない』と思うと買ってしまう傾向があります。 その心理をついた交渉戦術であり、テレビ通販でもよく利用されるテクニックです。
これ自体は違法ではありませんが、婚約指輪やダイヤなど人生で初めての買い物の場合、 これをやられると比較することなく買ってしまうことにつながり後から後悔することになりかねません。
良心的な業者なら『○日間ならお取り置きできますが、どうなさいますか?』と聞いてきます。 あるいは、『他の宝石店も見て是非比べてきてください。』といろいろ見比べることを推奨してきます。
そもそも、ダイヤモンドの購入は何十万円という高額な買い物です。じっくり調べて 買いたいと考えるのも自然なことですし、他の店も見てみたいもの。
ゆっくり選ぶ時間を与えずに買わせてしまおうという店は避けましょう。

婚約指輪を買う人は初めてダイヤモンドを買う人がほとんどです。 そのため、ダイヤについて知識がほとんどありません。そこにつけこんでウソの説明をする業者もいます。
これらは、消費者の合理的な選択を阻害する可能性が有り景品表示法第4条1項1号の 『優良誤認』に抵触する可能性があります。
これらに合理的な根拠は有りません。
このようなウソは実際によく直面します。『お客はどうせダイヤについての知識は無いだろうから何を 言ってもわからないだろう』という意識が見え隠れします。
あまりお店を回らず価格に関する情報や知識がない客と見ると、価格をふっかけてくるお店も残念ながら あります。
注意が必要でしょう。

ダイヤモンドの魅力は外から取り込んだ光を外に放出する際の色の美しさと輝きがすべてです。
なぜならアクリルやガラスとダイヤや空気の屈折率は異なるので、光の進行方向が変わってしまうからです。 (参考:それぞれの屈折率: ダイヤモンド:2.417 空気:1 アクリル:1.49 ガラス:1.46 )
そもそも、アクリルやガラスの表面には微細なキズがたくさん付いており、ダイヤモンドの表面の研磨が いかにすぐれていても、ダイヤモンドに光が届く前に光は乱反射してしまい、せっかくの優れた研磨技法 も意味がありません。
上のAやBのように、ダイヤモンドをケースに入れたまま 見ると、外部の光や観察者自身の影が写り込んだりして、 とても邪魔です。
また、ダイヤと肉眼の間に一枚ガラスやアクリルが入る ことで、光の進路が生で見るそれと比べて変わってしまう ので、生のダイヤの輝きや光沢は味わえません。
ダイヤの輝きの3要素(ブリリアンス、ファイヤー、シンチレーション)を確認したいのなら、やはり上記のように枠におさまった状態か、ピンセットではさんだ状態で観察するのが妥当です。
お客さんが商品の良し悪しを確認するために直接商品をケースから出して見せて欲しいと頼んできたとき、 それはできません』と断る店はそもそも高価な商品を売る資格はありません。
*欧米の一流ブランド宝石店や国内の一流店は頼めばきちんとダイヤを生で見せてくれます
どうせ実物を直接自分の目で見れないなら、東京や大阪、福岡の優良で信頼のおける業者に買い付けをお任せしたほうが良いでしょう。
*FLのダイヤモンドについてはこの限りではありません。

ダイヤモンドの鑑定書については、鑑定書のページで触れているとおり、いろいろな問題が起こってきた のが隠しがたい事実です。つい最近も、意図的に鑑定機関が甘い鑑定を行ったことが発覚しています。
“2010年に発覚した大手鑑定機関によるダイヤの不正鑑定を報じる毎日新聞の記事”
それゆえ、販売する側は自分の商品(ダイヤ)を鑑定している鑑定機関についてきちんと説明することが求め られます。
ダイヤモンドのグレードを証明するのは自社鑑定を除けば鑑定機関であり、その鑑定機関がどこであるのか、 そのダイヤモンドがどのような品質なのかは鑑定書だけが明示・証明しているからです。
現実として、A鑑、B鑑、C鑑という言葉が業界で存在し、鑑定機関のランクがはっきりと分かれている以上、 業者の間で鑑定機関について信頼性で評価の高いところと低いところが有り、その理由も必ず有ります。
評価の高くない鑑定機関で鑑定されたダイヤを薦めてくる場合、なぜなのかは知りたいところです。
お店に対し、鑑定書の発行元を確認したり、開示を要請した際にきちんと対応しないお店は購入者に対する 商品の説明責任を果たしているとは言えません。
鑑定書について発行元を説明しなかったり、理由も無く提示を拒否するお店は要注意です。
(ダイヤの裸石の場合、鑑定書がまだできておらず、提示ができないというケースはよくあります。 その際はソーティングレポートと呼ばれる。 4Cだけを記載した簡易鑑定書ともいえる小さなメモがあるはずですのでそれで発行元が確認できます)


商品知識が無いということは、自分の売っている商品(ダイヤや指輪)が他の店や商品と比較してどこが違う のかわかっていない、説明できないということです。
言い換えれば、商品知識が無いのであれば、仕入れる際に何を基準にその商品(とくにダイヤモンド)を仕入れているか不明です。商品知識の豊富な宝石店は仕入れにも明確な基準が有ります。
また、買う人が実際肌につけることになる指輪について、その材質や特性について知らないと、金属 アレルギーや変形、表面上の劣化等で買う人は後から苦労します。
また、いい宝石店はその豊富な商品知識と経験をベースに、とても素晴らしい提案をしてくることがあります。
高価なものは、勉強不足の店員から買ってはいけません。これはすべてにあてはまることです。

ダイヤモンドは天然ダイヤと人為的に作られたダイヤ、ダイヤに似せた模造(もぞう)ダイヤが『ダイヤモンド』と称して売られています。
とりわけ数多く出回っているのが『キュービックジルコニア』(略称:CZ)というダイヤモンドに良く似た人工石です。
(以下がその写真です)

(出典:www.diamondcz.co.uk)
キュービックジルコニアはダイヤとよく似た外観を持っており、素人やダイヤをたくさん見たことの無い人は『これがダイヤモンドだよ』と言われてもまずわかりません。
また屈折率も2.15~2.18とダイヤモンドに近いため、ダイヤのかわりとして良く使われています。
(市場価値はダイヤの1%以下です。人工石なので希少性が無いため)
キュービックジルコニアそのものは、安い価格で入手でき楽しめるのでとても面白いのですが、これを『天然ダイヤモンド』と称して婚約指輪に付けて販売することは消費者を欺いて購入させることにつながるので問題です。
消費者は店頭で天然ダイヤモンドを見せられても、買って手元に届くときはニセモノにすりかわっていたりする可能性が有ります。
また、一度もダイヤを見たことが無い人は、通販で価格が安いからといってつい買ってしまうと、送られてきたのは偽ダイヤモンドが付いた指輪だったということもあり得ます。
注目すべきは、リフォーム専門店や買取店に持ち込まれる際、所有者は誰もが『これはダイヤモンド』だと信じて疑わないことです。
つまり購入する側は受け取りの際に婚約指輪の形になると石の検査をすることもないし、疑うこともないのです。
以前『松坂牛』や『愛知県産うなぎ』でも、ニセモノが出回ったことがありました。ニセモノを販売してもうけようという人はどの業界にもいます。(なぜなら途方もない利益が得られるからです)
だからこそ、ダイヤモンドや指輪を買う時には、信頼できる宝石店から買うのが賢明です。 br> 売っている人をよく観察しましょう。